【プロが解説】ルクス・ルーメン・カンデラの違いとは?LEDビジョンに最適な単位の選び方
目次
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はじめに:なぜ「明るさの単位」を正しく理解する必要があるのか
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各単位の意味と違い
2-1. ルーメン(lm)|光源が出す「光の総量」
2-2. カンデラ(cd)|ある方向の「光の強さ」
2-3. ルクス(lx)|照らされた面の「明るさ」 -
LEDビジョンにおいて最も重視されるのは「カンデラ(cd/m²)」
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用途別:どの単位を見ればいいのか?
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よくある勘違いと注意点
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まとめ|LEDビジョン導入前に知っておくべき「明るさの単位」
1. はじめに:なぜ「明るさの単位」を正しく理解する必要があるのか
LEDビジョンや照明機器の導入・選定時に必ず目にするのが、「ルクス(lx)」「ルーメン(lm)」「カンデラ(cd)」という明るさの単位です。これらは同じ“明るさ”に関わる数値でありながら、意味や使われる場面がまったく異なるため、正しい理解が不可欠です。
とくにLEDビジョン業界では「カンデラ(cd/m²)」が標準的に使用されており、これを理解することで、より適切な製品選定・企画提案が可能になります。
2. 各単位の意味と違い
2-1. ルーメン(lm)|光源が出す「光の総量」
ルーメンは、光源が**全方向に発する光の量(光束)**を示す単位です。室内照明や懐中電灯の明るさ比較で使われることが多く、「800ルーメンの電球」はその電球が出す全体的な光量を示しています。
2-2. カンデラ(cd)|ある方向の「光の強さ」
カンデラは、光が**特定方向に向かって出ている強さ(光度)**を示す単位です。懐中電灯やスポット照明のように、狭い範囲に光を集中させたい場合に有効です。
2-3. ルクス(lx)|照らされた面の「明るさ」
ルクスは、1平方メートルの面が受け取る光の量(照度)を示す単位です。照度計で測定され、オフィスや作業環境での明るさ基準に用いられます。
3. LEDビジョンにおいて最も重視されるのは「カンデラ(cd/m²)」
LEDビジョンは、光を自ら発する自発光ディスプレイであり、その画面自体の明るさ(輝度)が直接、視認性や訴求力に関わってきます。そのため最も注目すべき指標は**「cd/m²(カンデラ毎平方メートル)」=輝度**です。
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屋内用LEDビジョン:800~1,500 cd/m²
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屋外用LEDビジョン:5,000~10,000 cd/m² 以上
特に屋外では、日中の直射日光にも負けない高輝度性能が必須となります。
4. 用途別:どの単位を見ればいいのか?
使用シーン | 適した単位 | 理由 |
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室内の明るさを確認したい | ルーメン(lm) | 空間全体の光量を見るため |
作業台や手元の明るさを知りたい | ルクス(lx) | 照らされた面の明るさが重要 |
LEDビジョンの視認性を評価したい | カンデラ(cd/m²) | 発光画面の明るさが直接関係するため |
5. よくある勘違いと注意点
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ルーメンが高ければ見やすいわけではない
光が拡散していれば、実際に見る側の明るさ(ルクスやカンデラ)は低くなる可能性があります。 -
ルクスは受け手側の指標
LEDビジョンのように「光を出す側」には向かない指標です。 -
LEDビジョン選定時は「cd/m²」を確認すべき
特に屋外設置の場合、カンデラの値が高くないと視認性に問題が生じます。
6. まとめ|LEDビジョン導入前に知っておくべき「明るさの単位」
明るさに関する単位は似ていて紛らわしいですが、それぞれ異なる意味を持っています。
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ルーメン(lm):光源が出す全体の光の量
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カンデラ(cd/m²):LEDビジョンの輝度=もっとも重要な指標
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ルクス(lx):照らされた面の明るさ
LEDビジョンの性能比較や選定の際には、必ず**カンデラ(cd/m²)**に注目し、用途に応じた最適な輝度レベルを確認するようにしましょう。